２０２０年に新型コロナショックが襲って多くの中小企業は危機的状況になりました。そこで、多くの中小企業が新型コロナ融資、いわゆるゼロゼロ融資を受けました。融資を受けて４年近くになります。最近、このゼロゼロ融資の返済が始まり出しました。
お客様からの質問・相談で本当に多くなってきたのが「資金も充分あるので一括返済しても良いのか？」「金利が勿体ないので返済しても良いですか？」等です。
これに対して私は「会社にとってお金は血液であり命そのものです。」「安易に返済しないように」と言います。
私の判断はそれぞれの会社の状況によって異なってきます。
パターン１＝優良企業：当座比率３００％以上かつ自己資本比率７０％以上
ゼロゼロ融資をいつでも一括返済しても良いですよと回答します。ちなみにこんな優良会社がゼロゼロ融資を受ける必要があるのかと思われるかもしれませんが私は新型コロナショックが起こったときにどんな優良企業でもゼロゼロ融資を受けるように勧めました。理由は新型コロナショックは始めての事象なのでどんなことが起こるのか想定できなかったので融資を勧めました。
パターン２＝並の企業：当座比率１５０％以上かつ自己資本比率５０％以上
ゼロゼロ融資を一括返済するのはやめなさいと言います。そして、約定通り、毎月・毎月徐々に返済して行きなさいと言います。これもこれから何が起こるかわからないので(金融機関から新たな融資が受けられなくなることもあるので)手元資金を厚くしておくことがベストだと思っているからです。
パターン３＝クズ会社：当座比率１５０％未満または自己資本比率５０％未満(特に当座比率５０％未満の会社は要注意です。)
ゼロゼロ融資は本来万が一に備えるために融資を受けているので全く手つかずで残っているのが理想です。このゼロゼロ融資に手を付けてしまった会社は当然一括返済はできないので毎月約定通り返済をしていくことになります。
しかしこれらの会社は財務内容が悪いので手元資金減らしたくありません。そこで、ゼロゼロ融資を返済しながらも新たな借入に挑戦すべきです。まだまだ、色々な制度融資もありますし借り換えしながら実質手元資金を増やすことも可能です。
当然、借入金も増えますが手元資金を増やすことが最重要課題と思って下さい。