「太上は天を師とし、其の次は人を師とし、其の次は経を師とす」言志録(佐藤一斎)
毎週月曜日は強運読書ブログです。私が読んで良かったと思う書籍を毎週ご紹介していこうと思います。是非、このブログの書籍画像をクリックしてアマゾンで書籍を購入してくださいね。
今回ご紹介する書籍は『日本人の勝算』デービッド・アトキンソン著 東洋経済 です。
この著者は外人なので翻訳本かというとそうではないです。著者は日本に30年在住していて日本語で書かれた本です。
だから、翻訳本のような読みにくさは全くありません。
この本は日本の現在抱えている問題点を鋭く指摘しながら、その解決策を提示しています。
この本を読めば読むほど、現在の日本ではダメになってしまうことが分かります。
まず、問題点は
①人口の減少問題
②超高齢社会の問題
③資本主義のひずみの問題が挙げられています。
①と②の問題は誰でもわかると思います。しかし、③の問題は日本特有の問題です。資本主義社会は緩やかなインフレで経済が円滑に回るにもかかわらず、日本はこの30年間、デフレ経済を満喫しすぎたために世界の先進国から大きく後れを取ってしまいました。
そして、それを正そうという政治的・経済的動きもほとんどありません。
この諸悪の根源は「中小企業」にあると断罪しています。生産性を伸ばす努力をしない中小企業が安い賃金で人を使い、安い賃金で日本人が使えなくなると外人を実習生として使うなどなど。
これらは本来生産性が上げられない中小企業は市場から退場すべきところが市場にノウノウと生き続けているために日本の経済は先進国から後進国の仲間入りをしようとしています。
そして、これらの処方箋は「最低賃金の引き上げ」と断言しています。毎年、平均10%程度の最低賃金の引き上げを続けていけば、生産性を向上させられない中小企業はあっと言う間に消えてなくなります。
すると、中小企業の規模が自ずと大きくなりながら生産性を上げることになり日本国民の所得も引き上がってきます。しかし、能力のない社員も当然いますので社会人教育も必要になるでしょう。
日本人としてとても痛い批判をされていますが、単なる批判ではなく処方箋も書かれているので中小企業経営者は是非読んでみて下さい。
これは日本に30年も在住している外人だからこそかけた名著だと思います。
今日の所感: 中小企業改革のチャンスです。改革できない中小企業は市場から退場!!