経営の本質はよく「選択と集中」と言われていますが、私は違うと思います。「選択と捨てること」が経営の本質です。
以前、このブログでも紹介した「選択と捨象」そのものが経営の本質です。2代目・3代目は選択をしてチャレンジをすることさえなかなか出来ません。
しかし、私のような創業者は多くのチャレンジすなわち選択をしていきます。しかし、いったん選択した事象を捨てることやめることが勿体なくて出来ないのです。
例えば、新商品を出して売れなくても、「折角出したのだから」、「少しは売れているので」、あるいは「腐るものではないし」とか理由をつけて延々と残してしまいます。
しかし、この捨てるという意志決定が出来ないために在庫は増えてお金が寝てしまいます、倉庫でも場所を取ります、陳列棚でも場所を取ります、必ず捨てることが必要にもかかわらずどんどん商品点数が増えてしまいます。
私は中小企業の場合、儲からない会社ほど商品点数が多いように思います。龍角散は商品点数が100以上あったものを10点未満に絞り込んで大成功した会社です。
さて、同じような例があります。お客様を富裕層に絞ったとします。これは富裕層にしか商品サービスを売らないということです。逆に富裕層以外には売らないことを意味することになります。
多くの中小企業経営者は捨てることが出来ないために富裕層でない人にも売れるといいなあと思っているので意味のない営業活動をしてしまいます。
そして、富裕層でない人にも売ってしまうのでブランド力もつかなくなります。ここで重要なことは富裕層を選択したということは同時に富裕層ではない層を捨てたということです。
この捨てるということは口で言うのは簡単ですが本当に重要なことです。実際にこれを実践している人は本当に少ないと思います。