私は常々「趣味は命がけ、仕事は楽しく」と言い続けてきました。この発言をすると「え~、逆じゃないんですか?」と質問がきます。「つまり、趣味は楽しく、仕事は命がけ」だと普通の人は思っています。しかし、私は逆だと思っています。
まずは仕事です。普通の人は人生で寝る時間の次に多いのが仕事をしている時間です。その人生の多くの時間を費やす仕事が命がけではあまりにも過酷すぎます。仕事は楽しくやりたいものです。どんな仕事でも最初は楽しくないし苦しいものだと思います。ここで、仕事から逃げるのがワークライフバランスの考え方です。ワークライフバランスなんかを考えていたら仕事は決して楽しくなることはありません。一度始めた仕事は最初は苦しいけれどもこれを更にハードワークをして苦しさを乗り越えると唯一無二の仕事つまり自分しかできないような仕事ができるようになります。すると不思議です。苦しかった仕事が楽しく感じられるようになるのです。この極限まで突き詰めた仕事が楽しいのです。
一方、趣味です。趣味を楽しい程度でやっていると時間が勿体ないような気がします。何故なら、自分しかできない唯一無二の仕事が楽しくてたまらないのです。趣味をやっているより仕事の方が楽しいのです。そこで、楽しい仕事を犠牲にしてまでやる趣味は命がけでやらなければ趣味に時間を割く意味がありません。私の趣味は魚釣りです。渓流釣り、海釣り、鮎釣りを全力でやっています。
さて、私は64才で引退しても仕事を楽しく、趣味は命がけでやっています。ただ、引退して仕事の内容が変わっただけです。SMCグループの代表として意思決定をすることがなくなっただけです。先行経営(コンサル)、経営者塾などの塾は引退後も相変わらずやっています。引退しても仕事はやめられません。
何故なら、仕事は自分のためではなく「人のために」やっているからです。私に関わった人や会社を良くしたいと思って仕事をやっています。だから楽しいのです。一方、趣味は人のためではなく「自分のため」にやっています。だからいつでもやめられます。これが大きな違いです。
趣味と仕事のどちらかを取りなさいと言われたら、迷い無く「仕事」を取ります。しかし、この先、年を取る毎に仕事も趣味も少しずつ変わっていくだろうと思っています。