最低賃金1500円になったら中小企業経営は成り立たないとか言っている人がいます。
これは単なる「甘えの一言」です。
日本は鎖国をしているわけではないので全世界と繋がっているのです。
何故、日本だけが30年間も殆ど賃金を上げずに中小企業が生きてこられたのか?それは1990年までの日本経済の蓄積があったからです。
しかし、最近では大企業でも世界では殆ど通用しなくなりました。半導体、通信分野、機械などの分野で日本企業の存在感は殆どありません。
目立つのはトヨタとファーストリテイリングぐらいでしょうか?これらの会社はご承知の通り、他の日本企業とは経営努力の仕方や世界戦略が極めて異質なのです。
逆に言うと日本で異質と言うことは世界で通用すると言うことです。
さて、中小企業です。30年間技術の向上もせずに温々と安い賃金で生産性も上げずに惰眠をむさぼってきました。そして、倒産率も極めて低い状況でした。
こんな江戸時代の鎖国をしていた元禄時代のような時代が国際化された日本経済ではあり得ないのです。そして、改めて世界の中の日本を見るとGDPランキングでは世界4位に転落しインドに抜かれて5位に落ちるのも時間の問題です。一人当たりGDPランキングでは38位です。
ドンドン順位を下げていっています。更にインバウンドで日本に来る外国人が食べるもの・泊まるところ等など、日本人では手が出ないような値段になってきてしまいました。
日本人と外国人で二重価格にしようという惨めな案も出てきています。
一言で今の日本は貧乏な国なのです。その一番の原因は日本の中小企業の生産性の低さが問題なのです。生産性が低いので人件費を上げられないのです。
これを解決する策は政府の方針通り、まずは人件費を強制的に引き上げることです。すると中小企業は何が何でも生産性を上げなければ人件費の上昇に耐えられなくなって市場から退場せざるを得なくなります。
市場から退場したくなければ生産性を上げることです。
生産性は「アウトプット(産出量)÷インプット(投入量)」の式で算出されます。
生産性を上げる方法は、アウトプットの最大化(同じコストで付加価値を上げる)か、インプットの効率化(少ないコストで同じ付加価値を出す)の2種類です。
このインプットである人件費が大幅に上がってくるのでアウトプットである付加価値を増やすか人件費を使わない方策(人がやる作業を機械やコンピュータに代替させる)を考えなければ生産性は上がりません。
そして、とにかく生産性を上げる努力をして日本を豊かにします。すると生産性が上がらない中小企業には退場していただいてその労働力が生産性の高い会社に集まり、更に生産性が高まっていきます。
この好循環で中小企業が日本を豊かにしましょう。この生産性を上げることができなくて潰れていく中小企業を助成金や補助金で助けることをやめて欲しいと思います。
何してもダメなものはダメなのです。