経営とは「人を通して事を成すこと」です。この人とは社員のことです。そして、経営をする社長の役割は①会社の進むべき方向性を示すこと ②その方向へ組織・社員を導くことです。さて、会社の中核をなす社員は中小企業にとっても重要な存在です。しかも、人員の余裕がない会社にとっては一人の社員が退職しただけで業務に支障をきたしてしまいます。そこで慌てて補充採用をすることになります。
さて、私が経営をしてきた中で会社の生産性をあげる一番の方法は退職者を減らすことだと気づきました。社員が退職すれば誰かを採用しなければならないのが中小企業です。いわゆる補充採用ですね。採用する社員が会社の仕事に関しての経験者であったとしても会社の仕事に慣れるまでには誰かが仕事を教えなければなりません。ましてや未経験者であれば更に教えるには長時間かかります。この教える行為が生産性を低下させるのです。本来であれば自分の業務に専念できるはずの社員が新入社員に教えるために自分の業務が出来ません。更に新しく入社した社員もすぐに戦力にはならないので更に生産性は落ちてしまいます。ダブルパンチです。このように考えてくると退職者が出ないに越したことはありません。しかし、上記①の会社の方向性に賛同していない社員や一緒に向かおうとしない社員はどんなに仕事が出来ても辞めてもらうべきでしょう。
社員の退職理由は色々あります。仕事は自分には合わないから、上司が嫌いだから、社風が合わないから、親の介護が必要となってしまったから。配偶者の転勤になってしまった、もっと給料が高い会社から内定をもらったから、残業が多すぎるからなどなど、色々な理由があると思います。これらの退職理由は表面的には真実でしょう。しかし、社長はこの理由を表面的にとらえるだけでは勿体なさすぎます。これらの退職理由の裏にある真実に気付くべきです。本当の退職理由は「あなたの経営のやり方が嫌いだから」「社長であるあなたのことが嫌いだから」しかありません。私は社員が「所長、ちょっとお話があります」と声をかけられると「また、退職の話?」と思って憂鬱になったものです。すると予想通り退職の話でした。上記のような退職理由を言いますが「あなたの経営には着いていけない」と言われているようでいつも心が傷ついていました。でも、退職理由を自分以外のせいにしていてはいけないといつも思っていました。次に退職者を出さないために何か改善することが無いかと考えていました。そして、気づいたことを少しでも良いから改善するのです。これを毎回続けていると段々会社は良くなっていくのです。社員が言った表面的な退職理由で社長である自分には非がないと思っている社長はお目出度い存在です。裸の王様になっているのです。社員の退職理由の殆どが社長のことが嫌いだからなのです。
