私は常々会社の成長過程でどの会社も乗り越えなければならない困難があると思っています。まず、独立開業して社員数が10人ぐらいまではとにかく売上を上げなければなりません。
1番目の困難は売上です。
この困難をクリアーできないために開業して10年以内に90%が姿を消していきます。
売上が何とか確保できて成長過程に乗ると次の困難が待っています。
その2番目の困難は資金です。
売上が伸びてくると在庫・売掛金の資金負担、人件費の負担も大きくなってきます。しかも、金融機関に信用がないので借入による資金負担もあまり上手く行きません。
さて、この資金の困難を乗り越えても三流アホ経営者は成長過程からハズレます。資金があるのでこれを個人的な欲求を満たすことに使ってしまうのです。高級外車に乗ったり、豪華な自宅を建ててしまうのです。
これは私が通ってきた道なので若い経営者に注意しているのですがアホはやはりやってしまいますね。
さて、次にくるのは人の問題です。
これが3番目の課題です。この段階までくるとかなり会社の規模も大きくなってきているので優秀な幹部社員や役員が欲しくなります。しかし、高級外車に乗ったり豪華な自宅を建てるような経営者の下に優秀な社員が集まるはずはありません。
自分が一生懸命働いて稼いでも社長の贅沢に使われるだけだからです。また、同族経営で同族関係者を優遇している会社も同じです。
この2番目と3番目の課題の頃は概ね売上が2億円~3億円ぐらいでしょうね。
3番目の困難をクリアーすると4番目の課題がでてきます。
それが組織の問題です。
3番目までは経営者を始め幹部の個人的な力で成果を出してきたのですがそろそろ限界です。そこで、売上、人材採用教育、商品開発など始め会社の運営を属人的な個人頼りから組織的な運営に転換する必要に迫られます。
4番目の課題が理念や目標達成のための組織作りです。
ここが3億円を超えて5億円、10億円と売上を伸ばせるかどうかの難所です。
以上が私の経験です。私はこの売上約10億円そして社員数約100名で引退するのでこの先はわかりませんが4番目の課題である組織化に成功すれば100億円ぐらいまではいけるような気がします。ただ、そのためには「商品力」と「目標の差別化」であるように思います。