「率の罠」

経営者にとって数字はとても大事です。自分たちの活動の結果は数字でしかわかりません。優秀な経営者の共通点は数字の大切さを理解しています。三流アホ経営者の共通点は数字に弱いことです。更にその数字に弱いことを恥だと思っていません。だから、自ら「私は数字に弱いんです。」と言えてしまいます。私からすると「私はアホです。」と言っているように聞こえます。

さて、よく「利益率の良い商品を売りたい。」「もっと利益率を高めたい。」などという、率の会話をよく聞きます。しかし、本当の意味で率をわかっている人は少ないと感じています。率は絶対額を大きくするために存在しています。粗利率は何故、高い方が良いのでしょうか?当たり前と思ってはいけません。粗利率が高い方が良いのは粗利額つまり絶対額が大きくなる場合に限られるのです。わかりやすい例で説明しますね。
A商品とB商品を扱っている会社の売上と粗利が下記のようにだとします。

  • A商品 売上1000万円、粗利率20%、粗利額 200万円
  • B商品 売上 200万円、粗利率40% 粗利額  80万円
  • 合計粗利率 23.3% 粗利額合計 280万円

そこで、粗利率の高いB商品の売上を伸ばそうとして 商品の売上が下がりました。

  • A商品 売上 500万円、粗利率20% 粗利額 100万円
  • B商品 売上 400万円 粗利率40% 粗利額 160万円
  • 合計粗利率 28.8% 粗利額合計 260万円

粗利率は向上したのに粗利額が減ってしまいました。
こんな改善を目指している会社が本当に多いのが残念です。数字に弱い経営者はこんなことは真面目にやっています。

繰り返しになりますが利益率が重要なのは利益額という絶対額を増やすためであることを再認識して下さいね。

今日の所感:利益率は利益額を増やすために高めます。
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