マネジメントを日本語に訳すと「経営」?「管理」?どちらでしょうか?私はどちらかというと「経営」に近い感覚で捉えています。
しかし、会社には「経営」も「管理」も必ず必要です。
「経営」とは会社の方向性を決めることとその方向へ向けて会社を導いていくことです。
具体的には
- 会社の方向性に沿った目標設定をする
- 目標達成のための戦略を立てる
- 立てた戦略を実行するための重要な意思決定をする
- 会社の革新(新しい事業や商品を創出する)をする
ことです。
一方、「管理」は「経営」で決められた方向性を実現するために具体的な方法論を決めて実行していくことです。
具体的には
- 目標達成に向けての計画作り
- 計画通り遂行されているかどうかの確認
- 計画にズレがあれば必要に応じて修正する
- 計画の達成度合いの評価をする
ことです。
つまり、「経営」は意思決定して決めること、「管理」は決めたことを実行することと言えます。「経営」は会社の方向性を決めることとその方向へ向かっていくための意思決定をすることです。
「管理」は「経営」で決められたことを実現するために計画して実行し必要に応じて修正していくことです。
さて、このように見てくると殆どの中小企業には「経営」も「管理」もありません。最も中小企業が弱いのが「管理」です。
例えば、計画を作ったり、様々なルールや規則を作ったりはしていますがそれができているかどうかのチェックが殆ど行われていないのです。計画は作りっぱなし、ルールは作っただけで守っているかどうかのチェックがなされていません。
更にこのルールを一番守らないのが社長なのです。折角作ったルールを守らないのが社長ですから社員が守るはずもありません。
私は理想のルールを作ることは意外に簡単だと思っています。
しかし、これを会社全体で守らせることが本当に大変なのです。そのためには規律を守るという社風を作り上げる必要があります。その社風を作るためにはルールが守られているかどうかのチェックを定期的にする必要があります。上場会社の内部監査はルールが守られているかどうかのチェックのために行っています。
しかし、内部監査は付加価値を生まないので中小企業では殆どやっていません。これを国に当てはめるとスピード違反や駐車違反などの取り締まりが内部監査に当たります。50キロ制限や駐車禁止場所を法律で決めても取り締まりをしなければ誰も守りません。
折角決めたルールも決めただけでは絵に描いた餅になり決して社風にはならないのです。
とても地味ですが「管理」というマネジメントの重要性を見直して「決めたルールが守られているかどうかのチェック」を定期的に行いましょう。
これをやり続けるとルールを守ることが社風となっていきます。