「人間の視野」

私はゼロから独立開業して昨年まで約100人の社員の組織の代表をしていました。
この過程で自分が直接見ることができる社員の数には限界があることに気づきました。私は10人が限界だと思いました。
それは10人ぐらいでしたらどの社員がやる気でやっていてどの社員が不満をもているかなどが手に取るようにわかっていたからです。
ところが10人を超えた頃からだんだん社員の気持ちがわからなくなると共に退職者が増えてきました。

さて、人間には人それぞれ視野の広さがあると思います。私は10人程度しか見ることができませんでしたが30人、50人、100人の社員を見ることができる人もいますし、5人程度しか見ることができない人、全く人を見ることができない人もいます。

中小企業でも部下を持つ幹部を育成したいと考えている経営者も多いと思います。ところが上記の通り人によって部下を見る人数には限界があります。
私の経験では60%位の人が自分の仕事をするのが精一杯で部下の仕事を見たり部下育成することはできないと思っています。裏を返せば40%しか部下を持つ管理職は無理だと言うことです。
逆に部下の面倒を見ることができない人を管理職にすると部下も不幸だと思いますが管理職にされた人も不幸だと思います。

中小企業では任された仕事が他の人よりできると管理職にしようとします。しかし、この人は自分の仕事ができるだけで人の仕事の面倒を見て育成させる能力があるとは限りません。
この見極めができない中小企業経営者があまりにも多すぎます。
これが中小企業に管理職が育たない一番の要因だと思います。

更に私の経験ではこの自分の仕事しかできない人は仕事の視野も狭いという特徴があります。仕事の視野が広いと言うことは自分が今行っている仕事の2手先、3手先を読みながら現在の仕事をすることができます。
しかし、視野が狭い人は今の仕事を一生懸命やっているのでこの先どんな障害が来るかが全く見えていません。特に普段忙しくいる人は視野が狭いため様々なトラブルが発生したりスムースに仕事が進まないのです。
視野が広い人はバタバタするような状態にならないはずです。

結論です。視野が広い人は多くの部下を持つ管理職に向いていると同時に仕事の段取りが良くなるのでより多くの仕事をこなすことができます。

最後にこの視野の広い社員をどのように育成したら良いかを質問されたことがあります。私の能力では育成はできないと思っています。
現在では視野の広さは生まれつきの能力としか言い様がありません。

今日の所感:忙しそうな人=人間の視野の狭い人!!
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