「取引の非情な決断」

経営をしていれば様々な取引があります。そして、当然多くの取引先が存在します。仕入先、得意先(売先)、金融機関、リース会社、事務機屋、会計事務所、コンサルタント等など数十社、いや数百社に上るかもしれません。そして、それぞれの取引先との関係は様々な関係があるでしょう。良好な関係が築かれている会社、あまり上手くいっていない会社などあるでしょう。その中でも特別な関係の取引先もあると思います。この取引先との関係があったから今の我が社の存続があると言うよう取引先です。

さて、そんなお世話になった取引先から「資金繰りが苦しいからお金を貸して欲しい」と言われたらあなたはどうしますか?私はこんな相談を過去に何度もされました。私の回答は1つしかありません。「絶対に貸しては駄目です。」「その取引先が潰れて売上が減ることになっても駄目です。」「過去にどんなにお世話になっていても駄目です。」と答えます。冷たいように感じられるかもしれませんが当然の回答です。理由は以下の通りです。

  1. 過去にお世話になったといってもビジネスですから先方も儲けたはず
  2. 会社は自分の私物ではない、会社のお金も全社員で稼いだものだから経営者の私情で勝手に資金を使ってはならない
  3. 一度貸せば二度目も必ずきます。二度目を貸せば三度目も来ます。そして最後は断ります。すると過去に貸したお金に感謝するどころか最後に断ったことを恨みます。

私は金融機関が融資をしなかったらビジネスはゲームオーバーだと思います。自力で頑張るしかないのです。そこで、取引先、友人、親族からお金を借りてもまず立ち直ることはありません。お金を貸さないことが本人の為なのです。

これでは冷たいような感じがします。そこで、私は自分個人のお金を貸したことがあります。会社のお金は自分のものではないので個人のお金であれば良いと思って貸しました。そして、実際は貸すのではなくあげるつもりで貸します。何と、800万円でした。

今思えば、個人のお金も貸さずに自己破産した後にお金を差し上げた方が価値があった様に思っています。

会社の経営において情に流されることは公私混同です。冷たいようですがこれが経営の鉄則です。

今日の所感: 経営で取引は非情に!!
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