江戸時代の米相場の格言です。「見切り千両、損切り万両」です。意味は「見切り千両」は早めに「これはダメだ」と見切る判断には千両の価値があり、「損切り万両」は損を拡大させないための損切りは万両の価値があるというものです。つまり、利益を伸ばすより、損を小さく抑える方がはるかに重要という、現代の投資・経営・意思決定にも通じる本質を突いた言葉です。
私の経験でも本当にこのことを感じてきました。事業で利益が出ていてガンガン攻めていくことはそんなに難しくありません。一方、事業が上手くいかず赤字が続くあるいは資金を垂れ流しているような状態で事業に見切りをつける、つまり撤退する意思決定をすることは難しい。この意思決定には千両の価値がある。撤退の意思決定をする時に多額の損が出ることを覚悟することは更に難しいというもの。これの多額の損を確定させる覚悟が万両の価値があるというものです。これが出来ずにずるずる事業を継続して潰れていった会社を何社も見てきました。現在進行形の会社もあります。
話は変わって令和の時代です。豊かな時代に甘く育てられたために現代の若者にはチャレンジ精神がなかなかありません。(当然、チャレンジ精神がある若者は少なからずいることも間違いありませんが・・・) チャレンジ精神すなわち挑戦することにはとても価値があるので「挑戦千両」というものです。挑戦すれば7割は失敗します。その7割の失敗を恐れずに挑戦することによって成功することが出来ます。更に挑戦したら少々の障害で挫けずに不屈の精神でやり続けることです。これが「継続万両」です。これは私の言葉です。挑戦することも大事ですがそれをやり続けることに価値があるということです。
さて、「挑戦千両、継続万両」と「見切り千両、損切り万両」は矛盾するように感じます。でも、決して矛盾はしません。「挑戦千両、継続万両」の挑戦する前に上手くいかなかった時の撤退基準を明確にしておくことです。例えば、3年で黒字化しなかったら撤退、資金3000万円が無くなったら撤退などなどの撤退基準です。そして、その撤退基準を満たしてしまったら「見切り千両、損切り万両」の出番です。あと少しで何とかなるとかもう少し様子見ようなどなどの引き延ばしをせずにスッパリと見切りをつけて損切りをすることです。
